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03月03日-04号

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  1. 熊本県議会 2022-03-03
    03月03日-04号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-26
    令和4年 2月 定例会               第 4 号              (3月3日)  令和4年   熊本県議会2月定例会会議録     第4号令和4年3月3日(木曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第4号  令和4年3月3日(木曜日)午前10時開議 第1 代表質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 代表質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)    ――――――○――――――出席議員氏名(47人)            前 田 敬 介 君            城 戸   淳 君            本 田 雄 三 君            南 部 隼 平 君            坂 梨 剛 昭 君            荒 川 知 章 君            西 村 尚 武 君            島 田   稔 君            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            岩 田 智 子 君            池 永 幸 生 君            竹 﨑 和 虎 君            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            前 田 憲 秀 君            磯 田   毅 君            西   聖 一 君            河 津 修 司 君            楠 本 千 秋 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            山 口   裕 君            渕 上 陽 一 君            田 代 国 広 君            城 下 広 作 君            鎌 田   聡 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            井 手 順 雄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    木 村   敬 君     知事公室長  小 牧 裕 明 君     総務部長   白 石 伸 一 君     企画振興部長 高 橋 太 朗 君     理    事 水 谷 孝 司 君     健康福祉部長 早 田 章 子 さん     環境生活部長 藤 本   聡 君     商工労働部長 三 輪 孝 之 君     観光戦略部長 寺 野 愼 吾 君     農林水産部長 竹 内 信 義 君     土木部長   村 上 義 幸 君     会計管理者  手 島 和 生 君     企業局長   國 武 愼一郎 君     病院事業            渡 辺 克 淑 君     管理者     教育長    古 閑 陽 一 君     警察本部長  山 口 寛 峰 君     人事委員会            青 木 政 俊 君     事務局長     監査委員   藤 井 一 恵 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   手 島 伸 介     事務局次長            横 尾 徹 也     兼総務課長     議事課長   村 田 竜 二     審議員兼            富 田 博 英     議事課長補佐    ――――――○――――――  午前10時開議 ○議長(小早川宗弘君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 代表質問 ○議長(小早川宗弘君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き代表質問を行います。 公明党本田雄三君。  〔本田雄三君登壇〕(拍手) ◆(本田雄三君) 皆さん、おはようございます。熊本市第一選挙区選出・公明党の本田雄三でございます。初めてとなりますが、公明党を代表して質問を行わせていただきます。このような場を与えていただきまして、誠にありがとうございます。 本日は、3月3日でございまして、ひな祭りであります。本来、この時期は、卒業や就職など、多くの皆さんが夢と希望に満ちあふれ、新たなスタートを迎えられる大事なときでありますが、まだまだ猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、卒業式も規模縮小など、満足なお祝いができない状況でありますが、新たな門出を迎えられました皆様に心より祝福を申し上げます。 また、連日報道が続いておりますロシアのウクライナ侵攻、世界の脅威とも言える蛮行に、昨日の本会議で、熊本県議会としての決議を採択いたしました。 岸田総理は、ウクライナ難民の受入れの用意もあると、国際秩序の維持を表明されました。地方議会としても、でき得ることは全てやるとの気概で臨んでまいりたいと決意しております。 また、オミクロン株における第6波は、想像を絶する感染拡大となり、昨日までの県下の累計感染者数は約5万人を数え、233人の方がお亡くなりになっておられます。改めて、新型コロナ感染症でお亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、罹患された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 また、激務が続く保健所職員の皆様や医療従事者の皆様に心より敬意を表するものであります。 一日も早い3回目のワクチン接種経口薬投与等により、早期収束を願うばかりであります。 それでは、通告に従い、質問に入らせていただきます。 1点目でございます。 知事は、蒲島県政4期目に向けて、蒲島郁夫10の約束プラス1を、マニフェストとして県民に示されました。 蒲島県政3期目は、知事を先頭に熊本地震等への対応に全力で当たられ、その結果、ほかに例を見ないスピードと内容で復旧、復興が進んでおります。一方で、住まいの再建や阿蘇くまもと空港へのアクセス鉄道など、課題も残されました。 そこで、知事は、令和2年3月の蒲島県政4期目に当たり、これからの4年間は、これらの課題を確実に解決するとともに、創造的復興を熊本の発展につなげ、地方創生を果たしていかなければならない重要なときと捉えられ、蒲島郁夫10の約束プラス1、具体的には、①「創造的復興を強力に推進!」、②「「空港構想」を実現!!」、③「すべての道はくまもとに通じる!!」、④「「夢」を育む教育を推進!!」、⑤「県民の安全・安心な暮らしを創生!!」、⑥「持続可能な社会(SDGs)を実現!!」、⑦「住み続けたい!地域の元気づくり推進!!」、⑧番「中小企業のチャレンジを応援!!」、⑨番が「稼げる農林水産業実現!」、⑩番目が「"観光くまもと"で世界とつながる!」、プラス1といたしまして「[喫緊の課題]新型コロナウイルス感染症対策について」を示されました。 しかし、4期目スタート直後の同年7月に発災した豪雨災害や感染が続く新型コロナウイルス感染症に対して、待ったなしの対応を余儀なくされました。 県では、このマニフェスト新型コロナウイルスへの対応に、令和2年7月豪雨からの創造的復興を加えた4つの大きな柱から成る新しいくまもと創造に向けた基本方針を令和3年3月に制定されました。 また、この基本方針は、国連が提唱するSDGsの17のゴールも念頭に置かれており、知事も、常日頃から、誰一人取り残さないと発言されておられます。本県は、全国的に見ても、産学官連携が進むなど、SDGsの取組が進んでいると、私は高く評価をしております。 さて、本年4月で4期目も2年が経過しようとする中、昨年11月に発表されたTSMCの進出に伴い、空港アクセスの再考も必要になるなど、変化変化の連続で、優先課題や緊急対応等を考慮しながらの県政運営が続き、10の約束のみに全力投球できない状態が続いていると思います。 そのような状況を踏まえた上で、知事が示された蒲島郁夫10の約束プラス1を基にした蒲島県政における新しいくまもと創造に向けた基本方針進捗状況と今後に向けた決意について、加えて、昨日の代表質問溝口議員も触れておられましたまん延防止等重点措置の延長か解除かの判断について、知事にお尋ねをいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 蒲島県政4期目の挑戦に当たっては、新型コロナウイルスへの対応をはじめ、次の4年間で重点的に取り組むべき施策をマニフェストとして県民の皆様にお示ししました。 しかし、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルスの数次にわたる感染拡大や令和2年7月豪雨災害の発生など、不測の困難に見舞われたことで、その対応を最優先する状況となりました。 私は、新たな困難に的確かつ迅速に対応しながらも、ピンチをチャンスに変え、熊本の将来の発展につなげるため、マニフェストを基に、4期目の羅針盤となる新しいくまもと創造に向けた基本方針を策定しました。 この基本方針では、熊本地震と令和2年7月豪雨の2つの災害からの創造的復興新型コロナウイルスを踏まえた対応、そして将来に向けた地方創生の取組の4つを柱として位置づけました。 基本方針進捗状況と今後に向けた決意について、4つの柱に沿って、主なものをお答えします。 まず、1つ目の令和2年7月豪雨からの創造的復興についてです。 令和2年11月に、球磨川流域の治水の方向性として、命と環境の両方を守る緑の流域治水を進めることを表明しました。現在、この緑の流域治水の実現に向け、国、県、流域市町村が協働して取りまとめた球磨川水系流域治水プロジェクトに沿って取組を進めています。 また、最重要課題である被災者の住まいの再建に向けては、県独自の5つの支援策や木造仮設住宅の利活用などにより、一日でも早くとの思いで支援を行っています。4期目の任期中に、全ての被災者の住まいの再建にめどをつける覚悟で取り組んでまいります。 2つ目は、新型コロナウイルスを踏まえた対応についてです。 私は、これまでの感染症の拡大に対して、その時々の感染状況をしっかりと見極めながら、医療提供体制の強化や円滑なワクチン接種体制の構築、認証店制度の創設など、常に先手先手で対策を講じてまいりました。引き続き、感染拡大防止と地域経済や県民生活の回復という2つの目標のベストバランスを追求してまいります。 3つ目は、熊本地震からの創造的復興についてです。 昨年4月までに、阿蘇への全ての幹線道路の開通や熊本城天守閣の復旧、大空港構想の実現に向けた取組など、目に見える形で創造的復興が進んでいます。今後も、残された課題である住まいの再建、益城町の復興まちづくり空港アクセス鉄道などにしっかりと取り組んでまいります。 4つ目は、将来に向けた地方創生の取組についてです。 私は「すべての道はくまもとに通じる」という考えの下、高規格道路の整備を強力に推し進めてまいりました。 その結果、中九州横断道路九州中央自動車道の整備が大きく前進しています。また、有明海沿岸道路についても、本年1月に、県内で初めて本格的な工事に着手され、今後さらに加速するものと期待しています。引き続き、本県はもとより、九州全体の発展につなげてまいります。 また、私は、熊本の将来の地方創生の姿として、熊本が持つ感染症対策、経済、防災、食料、地球環境という強みを生かして、日本の5つの安全保障に貢献する夢を描いています。 このような中、昨年11月に発表されたTSMCの本県進出は、本県が日本の経済の安全保障の一翼を担う、まさにビッグチャンスであります。このため、現在、蒲島県政の最重要課題の一つとして全庁挙げて取り組んでおります。この効果を県内全域に波及させるとともに、全国、ひいては世界から選ばれ、人や物、企業が集まる熊本を実現してまいります。 一方で、今般のアサリの産地偽装問題は、本県の農林水産物全体の信頼を大きく揺るがすだけでなく、食料の安全保障を脅かす重大な問題です。これまでの県の対応を真摯に反省し、純粋な県産アサリを確実に消費者に届ける仕組みを構築することで、県産アサリの再生と熊本ブランド信頼回復を実現してまいります。 最後に、まん延防止等重点措置の判断についてお答えします。 今回の判断に当たっては、昨日、溝口議員からの御質問にお答えしたとおり、延長すべきか解除すべきか、現段階においてもなお熟慮を重ねています。最終的には、この後、本県や他県の感染状況、専門家の御意見等を基に判断し、国に対して要請した上で、速やかに県民の皆様にお知らせをいたします。 私の4期目の任期も残り2年となりました。これらの様々な困難を乗り越え、誰一人取り残すことなく、県民が夢を持って輝くことができる熊本の実現に向け、全身全霊で取り組んでまいります。  〔本田雄三君登壇〕 ◆(本田雄三君) 誰一人取り残すことなく、県民が夢を持って輝くことができる熊本の実現に向け、全身全霊で取り組むとの力強い決意を述べていただきました。 特に、アサリの産地偽装は、熊本ブランド信頼回復という喫緊の課題でもありますので、公明党も全力で支援をしてまいります。 また、今ありましたまん延防止等重点措置の延長、解除につきましては、昨日に続き、今日も熟慮を重ねておられるということでございまして、今日中にはある程度の判断をされるというふうに思われますけれども、多くの皆様から我々に声が寄せられておりますけれども、感染者の高止まりや亡くなる方が連日いらっしゃる中に、ステルスオミクロンの感染拡大のおそれ、年度末で人流の増加も懸念される状況であり、とっても不安ですというような声が多うございます。そういう声に私も同感でありますけれども、難しい判断とは思いますが、慎重な御対応をよろしくお願いをしたいと思います。 私は、今知事はあまり触れられませんでしたが、マニフェストに掲げられました持続可能な社会、SDGsの実現については、すばらしい成果につながっていると思っております。 官民連携で取組を行いまして、2021年の熊本県SDGs登録制度は、県内企業の53.5%が参画をされ、対前年比では倍増の結果となっております。都道府県別では全国1位であります。各企業の意識の高揚がうかがえますので、機運上昇でさらなる飛躍を期待いたしまして、2番目の質問に移らせていただきます。 本県における吉報として報じられました菊陽町第二原水工業団地へのTSMCの進出は、新たな雇用の創出と県経済の活性化に大きく貢献するものと期待が膨らんでいるところであります。 今回のTSMCの進出は、半導体分野における世界の粋を集めた一大拠点が菊陽町に進出されるわけでありますので、地元自治体や国、県においては喜ばしいことであります。反面、進出される企業から見れば、世界標準の規制や基準を満たさなければ、2年後の操業開始に間に合わないということも懸念されます。 例えば、最も身近な交通渋滞の解消、物流におけるアクセスの整備、外国人労働者の住居の提供など、グローバルな視点での準備が必要になると考えられます。 これらの課題に対応するため、県では、半導体産業集積強化推進本部ということをつくられまして、昨年12月、人材育成・確保、渋滞・交通アクセス対策、国際交流、教育環境、熊本PRの5つの部会を設置されまして、対応に当たっておられます。 私は、前の職場になりますが、潮谷知事時代に運用開始になりました現ソニー工場の1期工事の際、進出決定から操業開始までの間、進出される企業や県庁をはじめ、自治体等窓口担当者として従事しておりましたので、当時、様々な業種の方々が、それぞれの課題や調整に奔走され、超突貫工事で対応されていたのを思い出します。 進出企業としては、2年後の操業開始に向け、ソニー、TSMC合同チームを編成され、様々な阻害要因解消のために、全力を傾注されることは容易に想像できるところであります。 半導体製造には、電気、通信、地下水の確保や数多くのガスの供給などが欠かせませんが、それらの使用、貯蔵等が地元自治体や国、県の法令に抵触しないかなど、様々な分野において迅速、柔軟かつ確実な対応が求められるところであります。要は、進出企業と円滑な協議を行うためには、地元自治体や国、県、関係企業を束ねた横断的な窓口一本化の対応体制構築が急務であると考えております。 そこで、1点目の質問です。 様々な観点から、いち早く県庁内及び周辺自治体では、TSMC進出に伴う対策チームを構築され、関係企業の誘致や雇用も含めた論議を展開されていますし、交通渋滞緩和についても、県主導による関係自治体との協議の場が構築されているようです。 TSMCの2024年度操業開始に向けて、進出企業側からの要望等、想定外の対応を含め、国、県、周辺自治体における対策チームを統括し、いわば司令塔の役割を果たす組織が必要と思いますが、これに対する見解を商工労働部長にお伺いします。 2点目の質問です。 中九州横断道路インターチェンジアクセス道路整備についてお尋ねをしたいと思います。 県企業立地課が2月10日に公表したTSMC進出に伴う工業団地整備によりますと、現在整備計画中の中九州横断道路周辺に、2か所の新たな工業団地の整備を行う方針が示されました。 これは、関連企業等による工業用地の需要が急増している中、インターチェンジアクセス等に優れる地域を選定し、半導体産業等の集積を図るというものであります。(資料を示す)今スクリーンが出ておると思いますが、これは、セミコンテクノパーク及び周辺の主要道路を簡略化して示したものです。 国が進める中九州横断道路、熊本市から大津町のセミコンテクノパーク周辺には、2か所のインターチェンジが予定されております。 1つ目の大津西インターチェンジは、国道325号に接続されますが、現在でも多くの車両が通行しており、さらに渋滞するのではないかと思います。 2つ目の合志インターチェンジは、県道住吉熊本線に接続しますが、セミコンテクノパーク南側を通る県道大津植木線や、さらに南側の国道57号までの経路が複雑であり、集落も通過しているため、物流におけるアクセス道路としての分かりづらさや生活エリアへの大型車混入等が懸念されます。 このため、中九州横断道路が完成するまでに、インターチェンジアクセスを担う道路を整備させる必要があると考えます。また、これにより物流機能の向上や交通分散による渋滞の緩和、さらには生活エリアからの大型車の分離にもつながるのではないでしょうか。 そこで、中九州横断道路インターチェンジからのアクセス道路整備について、土木部長に県の見解をお尋ねします。 以上、2点の質問に対する御答弁をよろしくお願いいたします。  〔商工労働部長三輪孝之君登壇〕 ◎商工労働部長(三輪孝之君) TSMCの進出に伴う様々な課題や要望等に対応するための組織についてお答えします。 まず、庁内においては、新工場の円滑な稼働に向けた課題に迅速に対応するため、TSMC県進出決定直後速やかに、知事をトップとする部局横断組織半導体産業集積強化推進本部を設置しました。現在、全庁一丸となって情報収集や調査、また、具体的な方策の検討を進めています。 昨年12月から、国や菊陽町、TSMCなどと適宜オンラインミーティングを実施するとともに、先月からは、新工場の建設、運営を行う合弁会社、JASMとの定期的な情報交換も開始したところでございます。 さらに、県商工会議所連合会県工業連合会などの商工団体には、庁内プロジェクトチームのリーダーである私自らが、必要な情報の提供を行っています。 なお、大きな課題とされている半導体人材の確保と育成については、県内の産学官の対話の場となる協議会の設置を検討しています。 こうした場で得られた情報は、議員御紹介の課題解決のために設置した部会と共有しており、関係機関の連携により、既に動き出している取組もあります。 今後、様々な課題に対応しながら、これまで以上に、庁内はもとより、国や市町村、企業、商工団体等とも幅広く連携しながら、TSMC進出の波及効果を最大限に高めていくため、オール熊本でしっかりと取り組んでまいります。  〔土木部長村上義幸君登壇〕 ◎土木部長(村上義幸君) 中九州横断道路インターチェンジアクセス道路整備についてお答えいたします。 中九州横断道路は、熊本、大分両県を結び、九州の循環型ネットワークを形成するとともに、観光の活性化や物流の効率化などに加え、南海トラフ地震などの大規模災害時においては、緊急輸送や救急医療活動など、多くの面で効果が期待されている重要な道でございます。 この道路に計画されているインターチェンジからセミコンテクノパーク周辺へのアクセス道路は、企業活動を支援する連絡路としての役割も担うことから、円滑な交通に向けてしっかりと取り組まなければならないと考えております。 現在、セミコンテクノパーク周辺幹線道路交通量調査を行い、将来の交通量推計を行っておりますが、様々なパターンを想定し検討を進めているため、時間を要しております。 今後は、県、合志市、大津町及び菊陽町で組織する菊池南部総合交通研究会での協議を行いながら検討を深め、対策決定後は連携して取り組むこととしています。 県としましては、引き続き、中九州横断道路の整備を促進するとともに、その効果を最大化するためのアクセス道路の整備について、地域の自治体とともに、スピード感を持って取り組んでまいります。  〔本田雄三君登壇〕 ◆(本田雄三君) 1点目にお伺いをいたしました司令塔的な役割を果たす組織の必要性に対する御答弁につきましては、知事をトップとした部局横断組織の設立及び商工労働部が企業や国、菊陽町等との連携を図り、ワンストップ窓口としての役割を務めているとのことでありました。 私は、商工労働部長がリーダーを務められるプロジェクトチームの役割が非常に重要であると認識をしております。 トップの皆様のアクションも不可欠でありますが、世界に誇る大企業の進出でありますので、企業と地元を結ぶ現場感覚に敏感な組織がプロジェクトチームでもあると思いますので、力量発揮をよろしくお願いをしたいと思います。 2点目の中九州横断道路インターチェンジにつきましては、確かに幹線道路の交通量や様々なパターンの想定ということで時間を要するのは仕方がないと思っております。簡単ではないということは理解できます。私は、大津町杉水のセミコンテクノパークの北側方面の団地に30年居住をしておりましたので、朝夕の渋滞状況や地理は理解をしているつもりです。 先ほどスクリーンでお示しをしましたとおり、セミコンの南側は幹線道路がありますけれども、北側は県道が生活道路と一体化しており、セミコンへのアクセスがないに等しい状況であります。 私は、大津西インターチェンジから国道325号を南下し、セミコン北側を経由して合志インターチェンジにつながるアクセスがぜひ必要ではないでしょうかと申し上げ、次の質問に移らせていただきます。 若者の地元定着に資する雇用施策であります。 本県の地方創生の基本的な計画となる第2期熊本県まち・ひと・しごと創生総合戦略及び熊本県人口ビジョンが昨年3月に策定されました。 人口ビジョンは、本県の人口の現状と将来の展望を示すものであり、2060年の本県の人口について、国に準拠した推計では117万6,000人となるところを、県としては144万4,000人までの減少に抑えるという将来展望が示されております。 また、総合戦略では、新型コロナウイルス感染症による危機を乗り越えるとともに、熊本地震豪雨災害からの創造的復興を熊本の発展につなげ、SDGsの理念に沿った取組を進めることにより地方創生を実現するための具体的な施策がまとめられています。 この中の将来に向けた地方創生の取組に、施策の1、次世代を担う人材の育成、施策2、若者の地元定着と人材育成、施策の3、安全・安心な社会の実現、施策4として、魅力ある地域づくり、以上4項目が掲げてあります。 災害やコロナ禍を乗り越え、県民の皆様が生活のすばらしさを実感し、誇りを持ち、安心して暮らしを続けられるくまもとづくりに向けて、県庁が一丸となり、市町村や県民の皆様とともに、この総合戦略に掲げた施策を着実に推進をしていただきたいと切に願うところであります。 しかし、最近、地元での就職や職場環境について、若い人たちにお尋ねをしたところ、10年たってもなかなか給料が上がらないので、結婚も子育てもできない、地元に残りたかったが、都会のほうが給料や福利厚生がいいので、県外に就職した友人もいるといった声が聞かれました。 全部の若者が同じではないと思いますが、物価は上昇するが、給料は変わらない状態が長期化している現状であるのではないかと推察いたします。 総合戦略の施策を見ると、次世代を担う若者への期待感は理解できますが、熊本での生活に希望を持てずに、都会に憧れて出ていく若者もいるようです。 県では、若者の地元定着を促進するため、ブライト企業認定制度をはじめ、様々な施策に取り組んでこられていると思います。地方創生の後継者である若い人たちが夢と希望を持ち続け、地元で活躍できるようさらに取り組んでいただきたいと思うところです。 そこで質問をさせていただきます。 今回のTSMCや関連産業の県内進出は、若者の県内就職を後押しする絶好の機会と思います。 そこで、若者の地元定着を促進するための県の取組について、商工労働部長のお考えを伺いたいと思います。  〔商工労働部長三輪孝之君登壇〕 ◎商工労働部長(三輪孝之君) 県では、平成27年度から、働く人が生き生きと輝き、安心して働き続けられる企業をブライト企業として認定しており、現在318社となっています。 より多くの企業に働きやすい環境づくりに取り組んでいただくとともに、その取組を学生や保護者などに幅広くPRすることで、若者の県内への就職促進を図っています。 今年度は、ブライト企業の魅力ある優れた事例や職場の明るい雰囲気をまとめた動画をユーチューブで紹介するなど、まずは若者にブライト企業について関心を持ってもらうため、SNSを活用した広報活動を強化いたしました。 また、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、就職活動の方法が大きく変わる中、昨年度からは、高校生や大学生と県内企業との出会いの場を創出するため、オンラインと対面を組み合わせた企業説明会やインターンシップのマッチング会を開催しております。今年度は、約600人の方々に参加いただいたところでございます。 各高校と連携したこのような取組やコロナ禍の影響による地方回帰の流れもあり、高校生の新卒者の県内就職の割合は、増加傾向にあります。平成29年3月は56.9%でしたが、5年後の令和3年3月には62.9%と、6ポイント増加しています。 さらに、来年度からは、人手不足に悩む県内中小企業の採用力向上を図るための事業をスタートすることとしています。企業に対して専門家を無料で派遣し、企業の魅力を効果的に情報発信するなど、企業の採用活動全般にわたる採用力の向上に対する支援を行ってまいります。 議員御指摘のとおり、TSMCの県内進出は、若者の地元定着の促進にとって、まさにビッグチャンスです。新たな半導体関連企業の集積などにより、雇用機会の拡大が期待されます。 このような中、教育機関においても新しい動きが見られます。熊本大学は、この4月に半導体人材育成のための半導体研究教育センターを設置することを発表されています。また、熊本高専を含めた九州内の高等専門学校と大学との連携による新たな教育プログラムの創設も検討されています。これらの動きは、熊本が県外の方々から注目を集め、熊本を訪れる学生やビジネス関係者が増えるとともに、熊本の魅力を県内の若い世代にアピールすることにも大きくつながるものと考えています。 今後とも、県教育委員会をはじめ、大学、高校などの関係機関と連携を図りながら、若者の地元定着と県内企業への就職促進に全力で取り組んでまいります。  〔本田雄三君登壇〕 ◆(本田雄三君) ブライト企業の取組について、SNSやユーチューブを介した広報活動の強化、また、オンラインを活用した企業説明会の開催などが功を奏し、高校生の県内就職は増加傾向とのことであり、喜ばしい限りであります。 また、本年4月から、今ありましたように、人手不足に悩む県内中小企業の採用力向上を図るための新しい事業がスタートされるとの答弁がありました。企業に対して専門家の無料派遣や企業の魅力を効果的に情報発信するなど、企業の採用全般にわたる支援が展開されるということでありますので、雇用機会の拡大に大いに期待ができると思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 コロナ禍における諸課題ということで、令和2年2月以来、県民及び日本中の脅威となった新型コロナウイルスとの攻防が今も続いています。ウイルス感染や濃厚接触に伴い、営業自粛や学校における休業、企業におかれてはリモートワークなど、様々な影響を及ぼしております。 長期化するコロナ禍において、大きな課題とも言える保健所体制強化と産前産後のケアについて質問したいと思います。 今回の第6波につきましては、誰もがこのような感染力があるとは思っていなかったのではないでしょうか。政府においても、3回目のワクチン接種は、本年2月に入ってからのスタートとなっております。 この間、日本中で過去最高の感染数が日々更新されるような事態になり、各保健所においては、感染者と濃厚接触者への対応が日増しに増加し、感染者や濃厚接触者が連絡をしようにも電話がつながらない状態になり、多くの県民の皆様も困惑されたと推測できます。 また、この2年間で出産を迎えられた方々も多くいらっしゃると思います。私ごとですが、3人の子供がこの2年間で結婚、2人の孫も誕生、今年の5月と8月にも出産を控えており、4人の孫に恵まれることになります。うれしい限りではありますが、私の子供たちは、親や兄弟、親戚も近くに居住しておりますので、何かと相談や頼み事もできますが、仕事や様々な事情で夫婦だけでの子育てをしておられる方にとっては、心身ともに疲労こんぱいではないかと思われます。 このような事態に対し、厚労省は、令和3年度補正予算で子育て支援対策臨時特例交付金を整備し、産後の皆様方のケアを目的とする子育て世帯訪問支援臨時特例事業の実施が発布されました。 制度の背景には、平成28年の児童福祉法の改正以降、児童虐待等における自立支援強化を図られましたが、令和2年度の児童虐待の相談件数が全国で20万件を超えるなど、子育てに困惑を抱える世帯がこれまで以上に顕在化していることが挙げられます。 具体的な事業内容は、市町村に設置された窓口にサポートを依頼し、妊娠、出産、子育てや家事、生活全般に関する不安や悩み等を傾聴し、相談、支援、寄り添いを行うとなっております。妊産婦及び妊産婦の育児支援を尊重するとともに、不安や生活上の困り事等を軽減、これは産後鬱の減少ということが目的であります。実施担当者は、必ずしも助産師、保健師等の専門職とは限らず、一定の経験と資格を得られた産後ドゥーラも含まれております。産後ドゥーラは全国に協会がありますが、本県には2名の方が有資格者とお聞きしております。さらなる支援で有資格者の増員を図る必要もあるかと考えております。 以上の状況を踏まえ、2点質問をさせていただきます。 1点目として、令和4年度の当初予算に、新型コロナウイルス感染症の中で、保健所の機能拡充に約13億8,700万円余が計上されました。 第5波までは、大変ではありましたが、知事のリーダーシップで乗り越えてきたと実感をしております。しかし、今回のオミクロン株における驚異的な感染者数に対しては、保健所の対応にも限界があると言わざるを得ません。 執行部におかれましては、今回のオミクロン株と同程度あるいはそれ以上の感染が発生した場合、保健所の体制強化については、第6波までの対応を踏まえ、どのような対策を講じられるのか、御所見をお伺いします。 2点目として、産後ケア事業につきましては、従来から各自治体に相談窓口が開設してありましたが、認知度が低く、利用者も少ない状況であります。今回の国の支援事業制度を契機に、多くの県民の皆様に利用していただく必要があると考えますが、今回の国の支援策をどのように活用されるお考えか。 以上、2点の質問を健康福祉部長にお伺いいたします。  〔健康福祉部長早田章子さん登壇〕 ◎健康福祉部長(早田章子さん) まず、1点目の保健所の体制強化についてお答えします。 県内で新型コロナウイルス感染症が初めて確認されてから2年が経過しました。この間、保健所は、大規模な積極的疫学調査やクラスター対応など、最前線で、休日、夜間を問わず活動し続けています。 これまでも、県では、感染拡大のフェーズに応じて、本庁保健師等の派遣や地域振興局内の職員による応援などを行い、保健所体制を強化してきました。 さらに、爆発的な感染拡大となった第6波では、本庁各部局からの応援も開始し、土日を含め、毎日約70名の職員を保健所に派遣しています。 また、体制強化とともに業務効率化も進めてきました。相談対応や健康観察など、可能な限り業務の民間委託を進めているほか、庁内LANを活用した情報共有の迅速化なども進めています。 これまで、このような取組を進めてきましたが、第6波を超える感染拡大に対応するためには、さらなる体制強化が必要です。 このため、これまで順次強化してきた全庁を挙げた応援体制について、平時から、研修等を通じた職員のスキル向上、業務の優先順位づけやBCPの徹底などに取り組むことで、第6波を超える感染拡大にも迅速に対応できるよう、さらに強化してまいります。 あわせて、さらなる業務効率化も重要です。例えば、感染拡大時には、議員御指摘のとおり、保健所への問合せが大幅に増加することで、さらに業務が逼迫し、県民の皆様からの問合せに十分に対応できない場合もあります。このため、ホームページ等による情報発信を充実させ、県民の皆様が自ら必要な情報にアクセスしやすい環境を整えることで、業務効率化につなげてまいります。 今後も、保健所が感染症対策の最前線として十分に機能するよう、第6波の収束後には、改めて検証を行い、さらなる体制強化と業務効率化を図ってまいります。 次に、2点目の産後ケア事業の推進についてお答えします。 産後ケア事業は、市町村が、出産後の心身が不安定になりやすい母親や赤ちゃんを対象に、心のケアや育児のサポート等を行い、安心して子育てができるように支援する事業です。 議員御紹介の子育て世帯訪問支援臨時特例事業は、既存の産後ケア事業が、主として出産後の相談、保健指導を行う事業であるのに対し、出産前から特に支援が必要と認められる若年妊婦等の家庭を対象として、家事、育児支援を行うものです。 出産後の育児支援や調理、洗濯等の家事サービスを行う産後ドゥーラなどの専門性や経験が豊富な人材の活用も有効であると考えています。 具体的にはこれから検討してまいりますが、県としては、多くの市町村において、この事業を積極的に実施していただき、適切な支援につなげていきたいと考えております。 今後も、国の支援事業を最大限に活用し、市町村や関係団体と連携、協力の下、産後ケア事業を含めた様々な母子支援策について、丁寧に情報発信しながら、安心して妊娠、出産、子育てができる環境整備に向け、しっかりと取り組んでまいります。  〔本田雄三君登壇〕 ◆(本田雄三君) 保健所の職員の皆様の、長期化する新型コロナウイルス感染症の御対応に改めて感謝を申し上げます。 感染の拡大規模が想定できない事態も危惧されますので、応援体制の確立とともに、平時の研修は即効性のある応援につながると確信しております。長期化する保健所の運営の際、責任者の方々等は、正副のシフトを構築され、休憩が取れるようにする御配慮も必要ではないでしょうか。よろしくお願いをしたいと思います。 従来の産後ケア事業並びに子育て世帯訪問支援臨時特例事業につきましては、最大限に活用されるとともに、今後ニーズが高まると予想される産後ドゥーラの資格取得の支援も期待をいたしまして、次の質問に移らせていただきます。 不登校対策と魅力ある学校づくりについて質問を行います。 長期化するコロナ禍の影響は、教育現場に著しい影響を与えていることは言うまでもありません。文部科学省の新学習指導要領に定められた授業時間及び出席日数の不足などに直面する中、学校長をはじめ、各先生方や保護者、そして児童生徒の皆様の御努力により、厳しい状況ではありますが、学校運営が維持できていることに感謝を申し上げる次第であります。 令和3年8月に熊本県教育委員会が公表した令和3年度全国学力・学習状況調査結果によりますと、小学校の国語は全国平均を上回っておりますが、算数は全国平均と同程度。一方、中学校の国語は全国平均と同程度でありますが、数学は全国平均を下回ったと報じられております。 また、令和4年2月に公表した令和3年度熊本県学力・学習状況調査結果においては、令和2年度と比べ、全体的に向上していますが、小学生が中学校に進学した際の学力低下が課題として、県義務教育課は、小学校と中学校の教員の交流を増やし、いわゆる中1ギャップの解消に努めるなどと報告されております。 そのような状況の中、不登校児童生徒については、減少にはつながらず、残念ながら増加傾向にあります。不登校となった児童生徒がひきこもりとなってしまうケースもありますが、学校以外の学びの場として、市町村教育委員会が設置する教育支援センターとともに、民間のフリースクールを利用する児童生徒が一定数存在していることは、皆さんも御承知のとおりです。 フリースクールについては、以前にも多くの議員が質問されており、現状の認識はありますが、私は、昨年10月に、フリースクールを運営されている皆様と意見交換を行いました。その際、様々な御意見を伺い、フリースクールの必要性を改めて再認識いたしましたので、あえて質問をさせていただいている次第であります。 フリースクールは、公的な学校とは認められないため、学校に在籍したままフリースクールに通うことになり、文部科学省が示したガイドラインを基に、学校長の判断により、出席扱いの可否を決定することになります。このような背景からも、フリースクールは、もはや公的な役割を担う側面があると考えられます。 そこで、1点目の質問です。 児童生徒の様々な学びの機会を保障する観点から、県教育委員会として、フリースクールの位置づけを示していただくとともに、今後、フリースクールへの支援についてどのように進めていかれるかをお尋ねいたします。 2点目といたしまして、県立学校におけるトイレの洋式化についてお尋ねをします。 本県の第3期くまもと「夢への架け橋」教育プランに記載された項目のうち、魅力ある学校づくり、学びを支える施設の整備の中に「トイレの乾式化・洋式化やバリアフリー対策など、衛生、安全面にも配慮した誰もが使いやすい施設の整備を進め」ると掲げられております。 トイレの洋式化については、計画的に工事の施工を実施されていると思いますが、中学、高校の女子生徒をお持ちの保護者から、子供の意見として、多くの人が同じ便座を利用するので、洋式トイレを使いたくないとの声がありますと。 多種多様な御意見があると思いますが、県立学校においてトイレの洋式化を進める基本的な考え方についてお尋ねをいたします。 以上2点の質問に対しまして、教育長の御答弁をお願いいたします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 1点目のフリースクールの位置づけと支援についてお答えをします。 まず、フリースクールの位置づけについてですが、本県の不登校児童生徒数は、8年連続増加し、令和2年の調査では2,996人となっております。 また、県教育委員会の昨年9月の独自調査では、不登校児童生徒のうち、ふだん生活している場所としては、家庭が約7割、学校が約2割、学校以外の教育の場が約1割となっております。 このうち、学校以外の教育の場について、市町村が設置している34か所の教育支援センターを利用している児童生徒数は、202名となっております。また、議員お尋ねのフリースクール等につきましては、22か所の施設で69名が利用されておられます。 このように、フリースクールは、不登校児童生徒を支援する場の一つとして重要な役割を担っていると認識をしております。 次に、フリースクールへの支援についてですが、主な取組として、県教育委員会では、平成30年度から、市町村教育委員会や教育支援センターの公的機関とともに、フリースクール等を交えた合同の連絡協議会を開催しております。 そこでは、フリースクールからも実践発表をしていただくなど、多様な立場から協議を行い、不登校児童生徒の支援の在り方や体制の構築に向けて連携を深めております。 また、教育支援センターに加えて、フリースクールにつきましても、一覧表を作成し、不登校児童生徒やその保護者に周知を図っております。 今後、フリースクールへの必要な支援につきましては、国に対して要望を行うとともに、市町村教育委員会や関係機関と連携しながら、多様で適切な教育機会の確保に努めるなど、不登校対策にしっかりと取り組んでまいります。 続いて、2点目の県立学校におけるトイレの洋式化についてお答えをいたします。 まず、洋式化の現状ですが、本年1月現在、県立高校が45.4%、特別支援学校が76.5%となっております。 県立学校のトイレにつきましては、平成30年に熊本県学校トイレ設計指針を策定し、学校の施設の教育、生活の場としての衛生環境の向上や災害時を含めた機能改善に寄与することを目的に、原則洋式化を進めております。 議員から洋式トイレを利用したくない生徒のお話もありましたが、和式を残すことでトイレ全体の感染症リスクが高まること、また、家庭に洋式トイレが普及し、和式を使えない子供が増えていることなどから、九州各県においても、原則洋式化が行われております。 現在、本県におきましても、洋式化の改修工事を計画的に進めており、まずは普通教室棟について、令和6年度の整備完了を目指しているところであります。 県立学校のトイレは、生徒のみならず、災害時には多くの避難者が利用します。今後は、多目的トイレの増設をはじめ、LGBTの方の利用など、人権にも広く配慮しながら、計画的、段階的に改修し、誰もが使いやすい施設整備を通して、魅力ある学校づくりを進めてまいります。  〔本田雄三君登壇〕 ◆(本田雄三君) フリースクール等が不登校児童生徒を支援する場として重要な位置づけを担っているとの御見解でありますが、今のところ、フリースクールに通わせている家庭への公費による支援はございません。フリースクールの学費は、文科省の調査によると、平均で年額40万円ほどだそうです。このほかにも、通学費やイベント参加費が別途必要であり、これらは全て、不登校児童生徒の保護者の負担であります。保護者としてみれば、負担をしてでも学びの場をつくってあげたいとの切なる願いがあるからこそ、負担をされていると思います。 九州では、福岡県だけが、独自に定める5項目の対象項目に該当することが条件でありますが、県独自で上限200万円のフリースクール支援事業補助金を交付してあります。 答弁にありましたように、国への支援措置の要望、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 県立学校のトイレ洋式化につきましては、多くの方が使用されるということでありますので、可能な限り除菌スプレー等の対策を講じられるよう要望いたしまして、6項目めの質問に移らせていただきます。 脱炭素の取組について質問させていただきます。 私は、前回の一般質問でも取り上げさせていただきました脱炭素社会に向けての取組として、再エネ、特に水素の利活用に対する知事の見解をお尋ねした際、次世代の選択肢として検討するとの御答弁でありました。 脱炭素に向けた動きとして、今国会で、政府は、脱炭素に取り組む自治体に対し、国の財政支援を義務化する地球温暖化対策推進法改正案を閣議決定したと報じられました。 改正案の骨子は、脱炭素化の目標達成は長期にわたることを踏まえ、自治体の施策費用について、国が必要な財政上の措置を講じる、そのように努めるとなっております。 また、企業の動きとして、環境問題に取り組む企業連合、国際イニシアチブに多くの企業が加盟され、実際に脱炭素社会を目指しながら、目標達成に必要とされる政策や市場の後押しを推進されております。代表的な国際イニシアチブに、EP100、これはビル全体の消費エネルギーを差引きゼロにする建物の導入ということで、略してZEBと呼ばれております。 それと、RE100、これは事業運営していくのに必要な電力を100%再生エネルギーで賄うという目標です。それと、EV100、2030年までに企業が使用する車を全て電気自動車に替えていくことを目指すという、こうした国際イニシアチブに企業が加盟し、目標達成に向けた取組が加速しております。これからも続々と参加企業が増え、脱炭素社会へ向けての多くの取組がなされていくと思われます。 しかし、全てが順調に進んでいるわけではありません。これらの国際イニシアチブが掲げる目標を果たすためには資金が必要であります。もちろん、温室効果ガスを減らす、無駄を減らす、コスト削減ということにはなりますが、このように脱炭素に取り組まれる企業に対し、一定の条件を付して、国の施策を活用した支援が必要ではないかと考えます。 現在、本県も、2030の初めの一歩に向け、様々な取組を展開されておられますが、私は、県独自でも、再エネの利活用について、本県の天草や牛深が最適地とされる潮流発電の導入も検討する必要があるのではないかと考えております。 スクリーンを御覧ください。(資料を示す) 潮流発電は、あまり認知度がないと思われますけれども、その名のとおり、海水の流れを利用した発電です。概要は、陸地の風力発電機の10分の1程度の大きさの風車を水深40メーター程度の海底に設置し、羽根で波を受けて発電する仕組みになります。大容量の発電はできませんが、1基で500キロワット程度です。系統――これは電気のつながる電線のことですけれども、系統への連携は、送電線ではなく、一般の電柱に架線してある高圧線になります。 民間企業が本年2月まで長崎県五島で実証実験を実施されましたが、右側は、そのときに撮影された海中に設置した状態の写真です。海中は悪天候等による荒波の影響を受けず、安定した発電ができたと報じられました。ただ、設置費用についてはよく分かりませんでした。 偶然見ていた民放で、五島の再エネ推進の特集が放映されてありましたが、印象的だったのは、漁連の皆さんが、太陽光や風力に加え、潮流発電も漁には影響しないので、新たな産業として大いに期待できるとおっしゃっていたことであります。 皆様も御存知のとおり、電気は貯蔵ができませんので、今冬の首都圏のように電力不足が生じないような対策も、脱炭素への取組に併せて必要不可欠であります。 ここで質問が2点あります。 1点目は、前段で申しました国際イニシアチブが掲げる目標に取り組まれる企業への支援についての御見解をお伺いします。 2点目は、潮流発電等の地産地消的な再エネの推進について、県としてどのように取り組まれるのか、お考えをお聞かせください。 以上、2点に対する御見解を商工労働部長にお尋ねいたします。  〔商工労働部長三輪孝之君登壇〕 ◎商工労働部長(三輪孝之君) まず、1点目の国際イニシアチブが掲げる目標に取り組まれる企業への支援についてお答えします。 議員御紹介のとおり、脱炭素社会を目指す企業の国際イニシアチブは様々なものがあります。中でも、再生可能エネルギー導入を推進する本県では、RE100に注目しています。 RE100は、電力消費量の多い大企業が対象となりますが、当該企業ばかりでなく、近年、サプライチェーンを構成する協力企業に対しても再エネ利用を求められる傾向が強まりつつあります。 本県においては、ソニーや富士フイルム、また、進出が決まったTSMCなどもRE100に加盟しており、県内の地場企業においても、今後ますます再エネ導入の必要性が増してくるものと考えています。 そのため、県では、RE100の中小企業版である再エネ100宣言 RE Actionの取組に賛同し、2019年12月、都道府県としては最も早く、その取組を普及するアンバサダー、いわゆる宣伝大使に就任いたしました。 RE Actionの取組への理解を深めてもらい、今後の事業活動に活用してもらうために開催したオンラインセミナーには、100社以上の企業が参加され、県内企業の関心の高まりを感じたところでございます。このような状況を踏まえ、今後、RE Actionへの参加を促すための研修会の開催やアドバイザーの派遣を行ってまいります。 また、県内中小企業者の再エネ、省エネ設備導入を資金面で支援するため、くまもとゼロカーボン資金の創設に必要となる予算を今定例会に提案させていただいております。 このように、再エネ導入に対する意識醸成を図り、企業等の取組を支援することで、再エネ導入の加速化につなげてまいります。 次に、2点目の潮流発電等の再エネ推進についてお答えします。 議員御紹介のとおり、潮流発電は、太陽光や風力とは異なり、天候に左右されず、年間を通じて安定的な稼働が見込まれる発電方式として注目されています。 本県においては、有明海、八代海の海峡部での潮流エネルギーのポテンシャルが高いとの国などの調査結果もございます。現時点では、技術の確立という段階までは至っていませんが、長崎県五島市などの先行地域での取組や国の動向などを注視しながら、本県への潮流発電導入の可能性について検討してまいります。 本県には、豊かな自然環境がもたらす開発途上のエネルギー源が豊富に存在しています。県としては、2050年CO2排出実質ゼロの実現に向けて、県内の再エネポテンシャルを最大限に生かし、地域と共生した形で導入を進めながら、県内需要を創出し、再生可能エネルギーの地産地消に取り組んでまいります。  〔本田雄三君登壇〕 ◆(本田雄三君) 商工労働部長の御答弁がちょっと集中したようにありますけれども、これは別に意識をしたわけではございません。質問の内容でそうなりましたので、御容赦いただければと思います。ありがとうございました。 本県といたしまして、RE100に注目されているとの御答弁がありましたが、再エネルギー量とのバランスが必要であります。電気はためられないのが弱点でもありますが、絶対条件が安定したエネルギー確保であります。再エネだけでは供給の信頼性は向上しませんので、災害時も見据え、安定した再エネの利活用により、参画された企業の支援を図る必要があると思います。 潮流発電は、適地限定の再エネでありますので、答弁いただいた地域と共生した形での再生可能エネルギーの地産地消の推進を果敢に進められますよう切望し、次の質問に移らせていただきます。 ウッドショックについての御質問でございます。 ウッドショックが生じた原因は、幾つかの要因が複合的に絡み合っていると考えられます。1つとして、コロナ禍から早めに回復した中国において、好景気を背景に住宅需要が高まった、2点目、金融緩和を行ったアメリカにおいて、超低金利を背景とした住宅ブームが起きた、3点目は、コロナによる世界的な巣籠もり需要が広がり、木材輸入用のコンテナ不足が生じたというようなことであります。 ウッドショックの影響は、いつまで続くか分からない状況でありましたが、最近は、県産材活用の取引価格は次第に落ち着きを取り戻しているとお聞きしております。 また、林業振興課で住宅メーカー等への個別訪問やアンケートを実施された結果、ほとんどの会社が木材の仕入れに苦慮はしたが、現場が止まっている状況にはないとの回答でありました。また、主に外国産材を使用している会社に対する県産木材の使用の可能性についての質問には、ぜひ県産無垢材の活用を検討したいとの返事があったとのことでありました。 しかし、これまでの県産材の価格低迷に加え、コロナ禍の影響もあり、長期にわたり山林の手入れや間伐が滞り、円滑な木材の供給に間に合わなかったとの声もお聞きしておりますし、木材を伐採しても、個人経営の製材所はほとんどが廃業されているため、乾燥や製材にかかる費用が高騰し、捻出できないとの切実な声も多く寄せられている現状であります。 他県の対応といたしまして、昨年の6月から、兵庫県が県産材利用促進と供給体制強化の支援策を実施しとの新聞記事を見させていただきました。対策の柱は、原木増産に向けた林業機械導入や作業道整備への支援、また、県産木材利用拡大キャンペーンを実施し、リフォームと新築時に県産木材を使用されたら10万~50万円を還元するなどに取り組んだということでありました。県産材仕様の住宅着工が増加し、若手の林業従事者の増加にもつながったと掲載がされてありました。 本県でも、現在行われている林野庁の支援事業や県に配分された森林環境譲与税などを活用し、良質な県産材の販路拡大への支援を積極的に行うべきではないでしょうか。 そこで質問させていただきます。 県としてのウッドショックにも対応できる林業振興に対する取組を農林水産部長にお伺いいたします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) まず、県産材の販路拡大への支援策についてお答えいたします。 県では、熊本県森林・林業・木材産業基本計画に基づき、県産材の安定供給や需要拡大を推進しております。生産基盤の整備については、林道等の路網整備や高性能林業機械の導入を、加工、流通体制の整備については、製材工場や木材市場などの施設整備を、いずれも国の補助事業なども活用し、積極的に支援しております。 また、県独自の支援策といたしましては、森林環境譲与税等を活用し、県産材を用いた住宅の新築やリフォームに対する助成のほか、中大規模建築物の木造化を促進するための建築士の育成などにも取り組んでおります。 今後も、この基本計画に沿って林業の基盤整備や木材の加工、流通体制の整備を進めるとともに、本年1月に改定した熊本県建築物等木材利用促進基本方針に基づき、公共建築物や民間の建築物の木造化、木質化を図ることなどにより、県産材の販路を拡大してまいります。 次に、ウッドショック対策につきましては、深刻さが増してきた昨年6月に、木材生産や加工、流通、輸出及び住宅関係など、いわゆる川上から川下までの関係事業者の代表の方々に参集いただき、木材需給情報共有会議を開催いたしました。会議では、需給情報の共有化を図ったほか、関係者間の信頼関係を構築し、供給量不足に備えていく必要があるとの御意見もいただきました。 また、需要者である住宅メーカーに対しましては、国産材の需要を把握するため、個別訪問やアンケート調査によって、県産材活用における意向をお伺いいたしました。 さらに、製材所などの川中に対しましては、外材の代わりとなる県産材を安定的に供給できる体制を構築するため、加工、流通業者を中心に説明会や個別訪問などを行い、課題解決に向けた対策を取りまとめております。そして、その対策の実現に向け、関係者の合意形成を図ってまいりました。 その結果、品質の確かな県産材を需要に応じて供給するために、川中の木材加工、流通業者を中心とした関係者が一致団結し、新たな組織の設立が進められております。 県といたしましては、この組織が中心となって、ウッドショックにも対応できる県産材の安定供給体制が構築されるよう、しっかりと支援してまいります。  〔本田雄三君登壇〕 ◆(本田雄三君) 木材加工、流通業者を中心とした関係者が大同団結し、新たな組織の設立が進められており、この組織が中心となって、ウッドショックにも対応できる県産材の安定供給体制が構築されますよう、しっかりと支援していくとの力強い答弁がありました。大変だとは思いますが、引き続き、住宅メーカーや加工、流通業者への個別訪問を継続され、支援策の醸成につながることを期待いたします。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 2021年9月1日のデジタル庁発足以来、各省庁や県及び各自治体でDX推進の準備が進められておりますが、デジタル庁が具体的にどのようなことをするのか理解できていない方も多いのが実情と思われます。 デジタル庁の発足によって、私たちの生活はどのように変化をするのか。現在、本県でも積極的に普及を促進しているマイナンバーカードについても、所有するメリットを感じていない方が多いのではないでしょうか。 しかし、近い将来、マイナンバーカードを使用することで世の中がより便利になり、行政サービスだけではなく、生活の様々な分野で役立たせることが目的でもあります。 マイナンバーカードには、マイナンバーと顔写真が記載されています。現状のメリットは、本人確認書類になる、コンビニなどで各種証明書の取得ができることなどが挙げられます。また、マイナポータルを活用することで控除証明書等を取得し、年末調整や確定申告を楽に行うことが可能となります。ほかにも、引っ越しの際にマイナンバーカードがあれば必要書類が少なく済むなど、多くのメリットが挙げられますが、現状のマイナンバーカードの普及率は約40%で、足踏み状態となっております。 デジタル庁及び県におけるDX推進は、膨大極まる情報量の分類など、多忙を極める状態だとは推測できますが、DX化の根幹である県民への行政サービスに不可欠なマイナンバーカードの登録は、同時並行で推進しなければならない重要案件ではないでしょうか。 昨年9月の定例議会で松村議員も普及促進の質問をされ、答弁では、令和4年度末に全対象者への交付を目指すとなっておりました。私も、9月定例議会後に、今なら5,000ポイント付与というフレーズに導かれ、マイナンバーカードを取得いたしました。ところが、ポイントを頂くのにタブレットやスマホから申請する必要があり、どのカードにするかなど、かなり面倒でしたが、手続は完了しました。しかし、仕組みをあまり理解できていないせいもあり、今もポイントは付与されておりません。 私の年齢でも、ポイント付与申請に悪戦苦闘する仕組みでありましたので、今後、保険証等にひもづけてポイント付与が行われますので、県としても、政府に対し、簡素化を呼びかけていただきたいと思います。 そこで質問です。 マイナンバーカードの取得に法的拘束力がない中で普及を進めるには、マイナンバーカードがもたらすデジタル社会の変化、私たちの暮らしの変化など、県民が理解できるように、しっかりと示していくことが重要だと考えます。 マイナンバーカードの活用におけるメリットの創出や県の取組について、企画振興部長にお尋ねいたします。  〔企画振興部長高橋太朗君登壇〕
    企画振興部長(高橋太朗君) マイナンバーカードは、住民の利便性向上につながるデジタル社会の重要なインフラと認識しています。 議員御説明のとおり、現在、マイナンバーカードを利用して、コンビニでの証明書交付やオンラインによる確定申告などができるようになっています。また、昨年10月からカードを健康保険証として利用できるようになり、国において、令和5年3月までにおおむね全ての医療機関等で利用できるように取組が進められています。あわせて、運転免許証との一体化やスマートフォンへの搭載も検討されています。今後ますますマイナンバーカードの利便性は向上し、デジタル社会の重要な基盤になると思っています。 県としては、市町村への研修会などを通じて、マイナポータルから申請可能な行政手続を増やすなど、住民サービスの向上に取り組んでまいります。 議員御指摘のマイナポイントについては、住民により分かりやすく、寄り添った案内ができるよう工夫してまいります。 また、カードの普及についても、引き続き、市町村と連携して、その利便性等を積極的にPRし、デジタル社会の推進に努めてまいります。  〔本田雄三君登壇〕 ◆(本田雄三君) 令和4年度末、要するに来年の3月末までに、おおむね全ての医療機関等でマイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになるとのことであります。約1年間でどれくらいのマイナンバーカードが普及するのかが鍵だと思われます。現行の保険証も利用はできますので、混乱は回避できると思いますが、県民の皆様の利便性向上に向け、普及啓発の取組をよろしくお願いをしたいと思います。 続きまして、9番目の質問に移らせていただきます。 現在建設が進められております県央広域本部・防災センター(仮称)の設備関係について質問させていただきます。 防災センターは、地下1階、地上7階、屋上にヘリポートを備え、県下はもとより、九州の中心に位置する防災拠点としての機能を果たす今後の重要な防災施設であると認識をしております。 本県は、三方を山地に囲まれ、西側だけが海に面して開けている。現在活動中の中岳をはじめ、県の中部から南部にかけては山岳地帯が多く、白川、球磨川流域等の洪水も危惧されるなど、大雨を引き起こしやすい地形でもあります。 また、八代海や有明海における潮位の干満差、さらに活火山である阿蘇山の噴火は、数十年に1度から数年に1度に変わりつつあり、加えて、布田川断層帯、日奈久断層帯、緑川断層帯等が存在するなど、災害発生のリスクは低いとは言えない状況であると思われます。 そのような環境から、いざ災害が発生となると、最優先は人命でありますが、特に重要なのは、被災地の現状把握ではないでしょうか。これまでの災害は、現状を把握するためには、現地の人との交信、写真の共有など、目で見て、声で聞かないと次の対策が決まらない状況が常ではなかったかと思います。 昨年の梅雨時期に、小国町の防災システムがテレビでも特集されていましたが、役場職員等の方々がスマホ等で写した写真や動画を防災システムに取り込み、リアルタイムでの現地の状況が対策部の大画面に映し出され、通行止めの判断や復旧に必要な工事内容の把握など大いに役立ち、迅速な対応につながっていると、町長がインタビューに答えておられました。 県南の豪雨災害の際、芦北町や球磨村に孤立集落が発生しましたが、現地に行く手段が定まらず、自衛隊の皆様が歩いて現地を確認されていました。 ドローン等の映像が配信できれば、現地の状況や移動手段を検討する上で大いに活用できると思われます。さらに、阿蘇火口においては、ライブカメラが設置してありましたが、昨年の噴火で配信が中断しております。噴火及び降灰の規模を把握するためにも、早期の復旧が望まれます。 このような状況からも、防災センターには、各自治体や提携した企業等からの映像や写真の配信は必要不可欠ではないでしょうか。 そこで質問をさせていただきます。 新設される防災センターの設備において、デジタル画像等の共有システム構築と必要性についてのお考えを知事公室長にお伺いいたします。  〔知事公室長小牧裕明君登壇〕 ◎知事公室長(小牧裕明君) 自然災害から人命を守るためには、災害現場で今起こっていることの確実な把握と、その情報に基づく的確な救命・救助活動などの初動対応が何よりも重要であると考えています。 議員御指摘のとおり、被災地の現状を画像や映像等でリアルタイムに把握することは、初動対応を行う上で大変有効です。そのため、本県では、消防や警察ヘリからの映像、河川のライブカメラ映像などを活用して、現地の状況をリアルタイムに確認しています。 現在、これまでの災害の教訓を踏まえ、令和5年3月の完成に向けて、新たな防災センターの整備を進めていますが、その完成に先駆けて、既に情報収集機能の充実強化に取り組んでいます。 例えば、これまで市町村との間で電話やファクスで行っていた被災状況の把握を、熊本地震後は、地図や画像等もオンラインで共有できるシステムを導入し、迅速な情報収集体制を整えました。 また、今年度からは、県民がSNSに投稿した災害関連情報を活用する機能を取り入れ、災害発生情報を幅広く収集、把握する取組も始めています。 さらに、災害現場などに派遣する情報連絡員の装備品についても、災害現場の映像の送信ができるよう、新たに小型タブレットの導入を進めています。 新防災センターにおいては、一昨年の豪雨災害時に、人吉・球磨地域の通信が途絶し、情報収集に困難を来した経験を踏まえ、第3世代の衛星通信システムを導入いたします。 このことにより、通信遮断のリスクを回避でき、豪雨時においても、より切れづらい通信網が確保され、ドローンなどの各種機器からの高画質映像等の伝送も可能となるなど、通信設備の強靱化や高度化が図られます。 このような取組により、被災地の状況がより早く、より確実に把握でき、情報収集機能が飛躍的に高まるものと考えています。 引き続き、市町村や消防、警察など関係機関と連携するとともに、民間等のノウハウも活用しながら、防災センターにおけるデジタル技術を活用した情報収集機能の充実強化を進めてまいります。  〔本田雄三君登壇〕 ◆(本田雄三君) 具体的で分かりやすい御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 現在も、消防、警察のヘリ映像、河川のライブカメラ映像を活用して、現地の状況をリアルタイムに確認されているということでありますが、加えて、県民がSNSに投稿した災害関連情報を広く収集、把握する取組を開始されているということは画期的だと思います。 さらに、災害現場等に派遣する情報連絡員の装備品に映像送信可能なタブレットの導入とありましたが、ぜひ、ドローンの活用も含め、新たな防災センターにおけるデジタル技術を活用した情報収集機能の充実強化をお願いしたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 住宅用火災警報器設置向上対策についてでございます。 多発する建物火災についてお尋ねをしたいと思います。 火災や災害で貴い人命や財産を失うことは絶対に避けたい、そう思いながらどなたも生活をされていると思います。しかし、災害や火災は、いつ発生するか分かりません。最近建物火災が多いと感じているのは私だけではないと思います。 県消防保安課によると、建物火災が増加し始めた昨年10月以降今年の1月末時点で、県内では144件の建物火災が発生し、前年の同時期、令和2年10月から令和3年1月末の発生件数107件と比較すると、37件も増加をしているということであります。 令和3年10月以降の建物火災のうち、死者が出た建物火災は8件発生し、8人の方が亡くなっておられるということであります。火災の原因は調査中のようですが、このうち2件が夜間から明け方に発生しております。 総務省消防庁の資料によると、住宅火災100件当たりの死者数で比較すると、住宅用火災警報器を設置している場合は、設置していない場合に比べ、死者数は半減するとの分析も出ているようです。就寝中の火災は気づくのが遅れるリスクが高いようですが、火災警報器は作動したのだろうかといつも考えます。 火災警報器は、消防法関係法令等の改正により、平成23年6月1日から全ての住宅への設置が義務づけられていますが、未設置の住宅も存在するようであります。 総務省消防庁発信の令和4年春季全国火災予防運動実施要綱についてに記載されてありますが、「令和2年10月に改正された「住宅用火災警報器設置・維持管理対策基本方針」に基づき、消防機関に限らず、関係行政機関、関係団体、関係業界等、あらゆる団体が総力を結集し、住宅用火災警報器の設置の徹底、高齢者世帯への設置の働きかけ、」「適切な作動を確保するための維持管理の必要性に関する周知等を図ることが重要である。」と記載されてあります。 さらに、最近作動確認を行った世帯のうち、電池切れや故障が確認された世帯が約2.6%という結果にもなっております。「住宅用火災警報器の」「多くが設置後10年を迎え、電池切れ等により火災時に適切に作動しなくなることが懸念されることから、年2回の火災予防運動期間中の点検実施を促進、故障や老朽化した本体」「交換の推奨など、具体的な維持管理を行うための働きかけが重要である。」と、「特に、各世帯において住宅用火災警報器を点検するために必要な点検手順等の情報について、住民に身近な広報誌等の媒体を用いることにより丁寧かつ継続的に周知する必要がある。」と総務省消防庁から徹底されております。 そこで質問です。 本県における各御家庭における火災警報器設置の状況と点検等に対する啓発の取組をどうされているか、総務部長にお尋ねをいたします。  〔総務部長白石伸一君登壇〕 ◎総務部長(白石伸一君) 住宅用火災警報器については、平成16年の消防法改正を受け、平成23年6月までに全ての住宅に設置が義務化されました。 まず、設置状況についてですが、令和3年6月の消防庁調査によると、全国の設置率83.1%に対し、本県の設置率は82.1%で、ほぼ同じレベルとなっています。 また、当該調査の際、作動確認を行った世帯のうち、県内では3.9%の世帯で電池切れや故障が確認されています。 次に、点検等に対する啓発の取組についてです。 これまで、県では、ホームページやラジオ、テレビCMなどを活用し、火災予防や住宅用火災警報器の設置、適切な点検実施などの啓発に取り組んできました。同様に、消防本部や市町村においても、各戸配布の広報紙やケーブルテレビ等において啓発が行われています。 また、毎年11月と3月の火災予防運動週間においても、消防本部や市町村と連携し、火災予防の注意喚起と併せて、住宅用火災警報器の設置、点検の呼びかけを行っております。 さらに、住宅用火災警報器の設置義務化10年を迎えた令和2年度からは、九州各県と各県消防長会で九州一斉普及啓発キャンペーンを実施しております。具体的には、消防庁舎への横断幕の設置や消防車両による呼びかけ、大型商業施設でのリーフレット配布などを行っています。また、九州電気保安協会と連携し、同協会の電気安全調査のお知らせはがきを使って、住宅用火災警報器の点検を促す取組も行っております。 引き続き、消防本部や市町村等と連携して、住宅用火災警報器の設置や点検を促進してまいります。  〔本田雄三君登壇〕 ◆(本田雄三君) 住宅用火災警報器の設置及び点検については、県、消防本部、各自治体において、様々な啓発活動を実施されているとのことでありました。 執行部から教えていただいた年間の火災発生件数と亡くなった方の数を見て、衝撃でありました。1月から12月の1年間のデータでありますが、令和2年度は、亡くなった方が13人、令和3年度は26人と倍増をしておりました。昨日も、東区と北区の火災で、3名の方が亡くなっておられます。 ちょうど今は火災予防運動週間ですよね。貴い人命を救うためにも、住宅用火災警報器の普及と点検の定着に向けた促進をぜひお願いをしたいと思います。 最後に、要望を1点行わせていただきます。 2050カーボンニュートラルを目指す上で、多くの業界が変革、開発といった課題に直面しております。特に、自動車産業部門は、日本経済をリードする基幹産業でもありますが、昨年の1月18日の第204回国会の施政方針演説にて、当時の菅首相は、2035年までに新車販売で電動車100%を実現することを表明されました。 この発表は、日本政府が脱炭素社会に向け、およそ15年後には事実上のガソリン車の禁止にかじを切ったものとして捉えられております。ガソリン車の新車販売を2030年代半ばまでに終了する方向であるとの印象が強いのではないでしょうか。 正式な発表が行われたわけではありませんが、いずれにせよ、近い将来、新車販売は、トラックやバスを含め、EVやハイブリッド車、さらには水素燃料を使用する電動車にシフトする方向であることは揺るがぬ事実ではないかと思います。 そこで、今後の自動車産業における構造変化に伴う技術革新や電動化に対する方向性と技術習得について、様々な支援策を講じていくことが必要になってくると思いますので、要望を行います。 1点目に、自動車整備の在り方として、メーカーだけではなく、民間の整備工場に従事する方々を対象に、電動車の整備に必要な資格やノウハウの習得の場を提供し、人手不足に備えていただきたい。 2点目に、電動車の充電や水素ステーションの整備及び現行のガソリン販売事業者が運営するガソリンスタンドへの併設など、必要な法整備の確認と周知の実施をお願いしたいと思っております。 脱炭素における電動車対策として、方向性の確立が急ぎ必要になると想定されますので、要望させていただきます。 以上で私が準備をいたしました質問及び要望は終了となります。 長時間の御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(小早川宗弘君) 以上で通告されました代表質問は全部終了いたしました。 これをもって代表質問を終結いたします。 明4日は、午前10時から会議を開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第5号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午前11時37分散会...